シーン13:モスロの嘘 - 楡の少女

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  15. 後書

シーン13:モスロの嘘

モスロ
じゃあしたいことします
アントーム
よし
モスロ
チロヌプに
「なぁ、体力が戻ったら、一旦泉のほうを見に行ってくれ。ひょっとしたら、まだワニガエルがいるかもしれない。精霊に聞けば、いるかいないかすぐ分かるだろ?」
チロヌプ
「いいけど、そんなのここの精霊使いにやらせればいいのに。自分達のことなんだから。」
モスロ
「まぁ、そうかもな。で、それとは別にもう一つ頼みがあるんだが……」
チロヌプ
「対価は要求するわよ」
モスロ
「……まぁ、支払うさ。ちょっとこっちへ」
といって、人気の無いほうへ
チロヌプ
ほえ
連れられて行った。
モスロ
「……最初に言ったよな。枝角を助けたら、そいつらに影の民への謝罪をさせる、と」
チロヌプ
相手の意図を探るようにじっと目を覗き込みます。
「ええ、いつ言い出すのかと思ってた」
モスロ
「……しかし、どう考えてもそれが一番公平だと思うんだが、……その、それはそれで禍根を残すような気もする
それでだ、双面の民であるお前に頼みがある。俺を騙して欲しい」
チロヌプ
「……どうして?」
モスロ
「……俺は蹄の部族の獣人として交渉に当たってきた。そして、その際に俺が気をつけていたことは『互いに対等に、公平になるように』だった
だが、今は不和を承知で公平にするか、公平を捨てて不和をなくすかのどちらかしか選べない。そして俺は、後者を選びたい
今までの信念に反すべきなのは分かっている。だが、踏ん切りがつかないんだ
頼む。今こんなことを頼めるのは、双面の民のお前しかいないんだ」
チロヌプ
「じゃあ、取引をしよう」
モスロ
「……どんな?」
チロヌプ
「対価として、貴方の“交渉”をちょうだいな。シルヴァリの力を手に入れられるならやってもいい」
(ちょうど使う当てのある力だしね……)とモノローグで。
モスロ
「……俺に、ついて来いと、そういうことか?」
チロヌプ
「それでもいいわね」
モスロ
「……なら頼む。どうせ、あての無い旅だ。どこへ行っても大して変わらん
ただ、俺の目的を果たしたときどうなるかだけは、保証できんがな」
チロヌプ
「分かった。じゃあもう、貴方の“交渉”はわたしの物だから、公平だの不和だのはモスロの領分じゃなくなったわね。好きにしたらいい」
モスロ
ため息をついて、「やれやれ、やっぱり双面の民なんかと取引するんじゃなかった。得るもの得といて、与えるものはこれっぽっちか」と苦笑い
チロヌプ
「双面の民らしいなら何より」と安心したように笑います。
モスロ
「ちょっと、ここの長老連中にあってくる」 そういって、チロヌプに背を向けます。
GM
長老はそんなに偉くない
場合によってはリアの方が発言力高いかも
ぐらい
モスロ
別に、一人でいいかな
リアはどうせ分かってくれるので、まずは頭の固い長老連中を
GM
そんなに何人も長老がいるとも思えんなあ、よく考えると
まあなんかセッティングはされたぜ
年寄りの家
じいさんとばあさんが……
モスロ
「失礼するぜ
……ルセルリアから聞いたが、あんた達だってな。影の民のほうへと、混沌を連れて行くよう説得したのは」
GM(長老)
「……それは我々ではないぞ。今はもうおらぬ先代の獣人じゃ」
アントーム
ほう!
モスロ
「その辺はどっちでもいい。どちらにしろ、この集落全体の決断だからな
そしてその決断が、影の民の集落に損害を与えたことも、また確かなことだ
影の民はそのことをまだ知らないが、もしも知ったら……どうなるだろうな?」
GM(長老)
「……我らを脅すというのか」
「どうしてほしいのだ?」
モスロ
「残念ながら、今日の俺はスマーシュの口だ
なに、簡単なことさ。影の民に危機が訪れた時、あんたらの手で手助けしてやってくれ」
GM(長老)
「なるほど……確かに、影の民に対して非は我らの方にあり、そなたの言うことには一理あるようじゃ
しかし、そなたも知っていよう、この村とて力あるものが多くいるわけではない
また力を貸すとして実際に動くのは我ら年寄りではなく若い者達じゃ
おいそれとこの場で首を縦に振るわけにはいかん……」
とごねてみた
モスロ
「別に、助力は力に限ったものじゃないだろう? 食料なり、交易なり」
GM(長老)
「ふむ、確かにその通りじゃの」
「徒に近隣の集落と諍いを起こすことは、我らの本意ではないのも事実」
「若き指導者たるルセルリアがそう決定したのであれば、我らは止め立てせぬと致そう」
モスロ
「わかった。彼女に聞いてみるよ」
といって、席を立つ
GM(長老)
「これでよいかな? 双尾の狐の口たる者よ」
モスロ
「ああ」とだけ
何も言わないなら、そのまま外に出ますが
で、外に出て、こめかみに手を当てて自己嫌悪に陥る
「はやまったかもなぁ……」